コマンドプロンプトのデバイスファイル
目次
デバイスファイルとは
デバイスファイルは、通常のファイルとは異なる挙動を行うファイルで、標準入力や標準出力、プリンター、コンソールなどへのアクセスを提供します。
コマンドプロンプトの主なデバイスファイル一覧
CON(CONSOLE)
コンソールデバイス。入力はキーボードで、出力はコマンドプロンプトの画面となります。
以下はコンソールに入力した文字をテキストファイル(sample.txt
)にコピーして、それを表示する例です。(※ コンソールで入力を終了する場合はCtrl + Z
キーを押します。)
> copy CON sample.txt
こんにちは^Z
1 個のファイルをコピーしました。
> type sample.txt > CON
こんにちは
通常、プロンプトの出力先はCON
となるので、以下は同じ結果となります。
> echo Hello
Hello
> echo Hello > CON
Hello
NUL
ヌルデバイス(ナルデバイス)。特定の出力を破棄するために使用されます。
たとえば、pause
コマンドは「続行するには何かキーを押してください . . .」と表示をしてユーザーがキー入力をするまで処理を一時停止しますが、「pause > NUL
」とするとメッセージを表示せず処理を一時停止できます。
> pause
続行するには何かキーを押してください . . .
> pause > NUL
また、NUL
はバッチ処理で出力を非表示にしたい場合などに使われます。
@echo off
:: 標準出力とエラー出力を非表示
mkdir test > nul 2>&1
pause
PRN(PRINTER)
プリンターデバイス。
デフォルトのプリンターへの出力先を指します。
COM1 - COM9(COMMUNICATION)
シリアルポートデバイス。
現在のWindows環境ではほとんど使用されません。
LPT1 - LPT9(LINE PRINT TERMINAL)
パラレルポートデバイス。
現在のWindows環境ではほとんど使用されません。
AUX(AUXILIARY)
補助デバイス。
現在のWindows環境ではほとんど使用されません。
まとめ
CON
、NUL
以外のデバイスファイルは、過去の歴史的な理由から残されているもので、現在のWindowsシステムではほとんど使用されません。