2024/04/24

FFmpegのプリセット（Preset）設定について調べてみた

FFmpegのH.264エンコード

FFmpegを使用してH.264にエンコードする場合、品質固定モードと、ビットレート固定モードの2つのモードが選択できます。

品質固定モードでエンコードする際は、-presetオプションでプリセットを設定できます。

ffmpeg -i input.ts -c:v libx264 -preset slow -crf 23 -c:a copy output.mp4

プリセットは、エンコード速度と圧縮率を提供するオプションのコレクションです。

プリセットに設定できる値は処理速度の早い順に以下のとおりです。

- ultrafast
- superfast
- veryfast
- faster
- fast
- medium（デフォルト）
- slow
- slower
- veryslow
- placebo（非推奨）

品質固定モードでエンコードする際に、-presetオプションを指定しない場合はmediumプリセットが適用されます。

一定の品質でエンコードする場合は、処理速度の遅いプリセットを選択すると圧縮率があがります。

x264バイナリがインストールされている場合は、x264 --fullhelpを実行することで、プリセットで適用される詳細な設定を確認できます。

プリセット別に使用されているオプションを調べた結果は以下の通り。

Option	ultrafast	superfast	veryfast	faster	fast	medium	slow	slower	veryslow
aq-mode	0	1	1	1	1	1	1	1	1
b-adapt	0	1	1	1	1	1	2	2	2
bframes	0	3	3	3	3	3	3	3	8
direct	spatial	spatial	spatial	spatial	spatial	spatial	auto	auto	auto
me	dia	dia	hex	hex	hex	hex	umh	umh	umh
merange	16	16	16	16	16	16	16	16	24
partitions	none	i8x8 i4x4	p8x8 b8x8 i8x8 i4x4	p8x8 b8x8 i8x8 i4x4	p8x8 b8x8 i8x8 i4x4	p8x8 b8x8 i8x8 i4x4	p8x8 b8x8 i8x8 i4x4	all	all
rc-lookahead	40	40	40	20	30	40	50	60	60
ref	1	1	1	2	2	3	5	8	16
scenecut	0	40	40	40	40	40	40	40	40
subme	0	1	2	4	6	7	8	9	10
trellis	0	0	0	1	1	1	1	2	2
weightp	0	0	0	1	2	2	2	2	2
no-8x8dct	X
no-cabac	X
no-deblock	X
no-mbtree	X	X	X
no-mixed-refs	X	X	X	X
no-weightb	X

手持ちの動画をいくつか変換した平均の比較結果は以下の通りです。
（※mediumで変換した際のエンコード時間、ファイルサイズを100として比較）